現代文化学部のフィールドスタディ科目である「エコツーリズム実践I」として、7月4日(土)に「巾着田と高麗峠をめぐる」ツアーを実施しました。
7月4日(土)9時00分に飯能駅改札前に集合し、参加10人でツアーがはじまります。
まず、西武秩父線高麗駅で下車、巾着田へと向かいます。途中、水天様、鹿台橋(ろくだいばし)を過ぎ、いよいよ巾着田に入ります。入り口で写真を使い巾着田全体の説明を行いました。今は曼珠沙華の季節ではありませんが、9月から10月にかけて、巾着田の半分が曼珠沙華に覆われます。その様子を思い描きながら、巾着田の周りをめぐります。3分の2ほど巾着田を回ったところで、高麗川を渡ります。ドレミファ橋という木造の橋であり、増水時には水中に没するという橋ですが、趣のある橋といえます。
巾着田は高麗川の一部が蛇行して、ちょうど袋のようなカタチになり、その内部が田畑として活用されている一帯のことです。巾着とは小物を入れる袋のことであり、口の部分を紐でむすび、下がふくらんでいる様子を想像してください。日高市観光協会のHPによりますと、直径約500メートル、面積約22ヘクタールとのことです。菜の花、コスモスなどの草花、とくに秋には500万本ともいわれる曼珠沙華は有名です。東京をはじめ、近県からもたくさんの観光客が、巾着田の曼珠沙華を楽しみに来訪します。曼珠沙華とともに、山に抱かれた桃源郷である巾着田の暮らしを堪能することができます。
平成24年から「巾着田河原の保全に関する要綱」が日高市によって施行されており、巾着田河原での直火によるバーベキューや河原への自動車の乗り入れが禁止されました。この要綱では、ゴミを捨てない、調理器具を河原で洗わない、人声や音楽で騒々しくしない、花火をしない等が定められ、きわめてよく遵守され、今日、巾着田の自然は理想的に守られています。
つづいて、奥武蔵自然歩道に入ります。奥武蔵自然歩道は飯能市の天覧山から始まり、高麗峠、巾着田、日和田山、高指山、物見山、鎌北湖までを結んでいて、格好のハイキングコースであり、自然を満喫することができる11キロです。われわれは巾着田から高麗峠、天覧山へと向かいます。前夜の雨で山道はツルツルと滑ります。
奥武蔵自然歩道は一年を通じて、市民の憩いの場となっています。桜や杉、菜の花や曼珠沙華、ムササビやカワセミなど、さまざまな動植物が見られます。天気が良ければ、途中、富士山を眺めることもできます。
飯能市内に入りました。諏訪神社の鳥居をくぐり境内に入ると、飯能恵比須神社が武蔵野七福神として、静かにたたずんでいます。その前を過ぎ、長い階段を下って、そのまま静かな谷地に入ります。この一角は騒がしい飯能の街中にあるにもかかわらず、静寂のなかに、ひっそりと忘れ去られたような小宇宙です。
本年度のエコツーリズム実践I科目の最後のツアーとして、学生にこの土地を紹介したいと思いました。何百年も前から少しも変わらずに、この小宇宙はひっそりと存在していたのでしょう。
これで、本年度のエコツーリズム実践Iにおける6本のツアーを終えることとします。
お疲れさま!